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ケータイなんか大嫌い !
目が覚めると煩わしい現実が僕を悩ます
右を向いても 左を見ても 猫も杓子も
ケータイ、ケータイ、ケータイ・・・・・・
あちこちに無数の電磁波が飛び交っている
ケータイなんか大嫌いだ
ケータイで心の通うコミュニケーション出来るなんて
そんなの錯覚だよ
誰も見向きもしなくなった道端の公衆電話が
ぽっんと淋しそうに泣いている
僕は変わり者だろうか
タダだろうがケータイなんかいらないよ
ケータイがあると人と繋がっている気がするからなの ?
そんなの錯覚だよ 空事だよ
考えてみてよ
人間がいつから言葉を持つようになったのかを
目の前の空気を伝わって直接相手に響く
あったかい生の声を
便利さと引き替えに無くした大切なものを
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母
母さん
早く元気になって家へ帰ろう
集中治療室に横たわる母
口許に酸素マスクが宛われ
点滴液や心電図の管で痛々しそう
声のでない母に心の中で呼びかける
治療のため部屋から出された私
ロビーで物思いに耽る
私を呼ぶアナウンスが聞こえる
不吉な予感を払け
祈るような気持ちで病室へ駈ける
心臓マッサージを目にして
心が張り裂けそう
オシロスコープ波形が一直線
母さんは未だ生きている!
黙って頭を垂れる医師
頭の中が真っ白
母さんが・・そんなの嘘だ!
私は悪い夢を見ているんだ!
目の前が真っ暗になり
奈落の底に突き落とされ
絶望の淵に沈み込み
私は夢遊病者になりはてる
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黄色い妖精
黒潮踊る房総の海
海と空と大地が
青と黄のパノラマに染まり
菜の花畑は一足早い
春の光を浴びて
黄の十字花の
妖精たちが踊ってる
虫たちのリズムに合わせ
瑞々しくキュートな
妖精たちの香りが
暖かな潮風の香りと溶け合って
春の匂いを運んで行く
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節 分 草
冷たい雪間からニョキニョキ顔をだし
朝日を受けながら白い花びらが揺れている
春一番のキュートな えくぼが笑ってる
節分の頃に咲くことから名付けられた節分草
草丈１０センチたらずの小さな可憐な花
きっと鬼も一目惚れしそうな節分草
もうすぐ春ですよ !
節分草「セツブンソウ」は日本の特産種で石灰岩地を好み山間地の木陰に群生する多年草です。
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富 本 銭
いにしえの飛鳥の都
王朝文化の夢の跡
額田王は
天智天皇と大海人皇子の
愛に翻弄され
防人たちは
遠く故郷に父母、妻子を残す
悲しきかな防人の歌
古代王朝のロマンを秘め
小さな銅銭が千三百年余りの
眠りから目覚め
和同開珎から富本銭へ
いま歴史が塗り替えられる
富本銭は時空の翼を持って
何かを語りかけるように
現代に蘇る
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自分を見つめて
ときどき空しさを感じる
きっと自分があまりに
ちっぽけに見えるからなのか
自分なんて居ても居なくても
世の中変わりはしない
自分は存在に値しない
そう思いつつ
自分が一番可愛い
開き直り 現実を直視
目の前の靄を払い除けよう
人はみな孤独な存在なんだ
ちょっとした心遣いが
あなたの孤独を慰めてくれる
あなたが喜んでくれるのなら
わたしの存在は
少しは意義があるのだろうか
時代が大きく変貌しようとしている
既成観念が崩壊している
崖淵から奈落の底に突き落とされ
極限状態に立たされたとき
人は初めて悟ることだろう
今
自分は何をすべきかを
男と女は
違う生き物
体の中の成分も
考え方も微妙に
違っている
同じ人間なのに
どうして違うのだろう
男と女が出逢って
愛し合って
愛の結晶
子どもが生まれる
親とは少しだけ違う
子どもが生まれる
ＤＮＡ（遺伝子）の
意志に従って少しずつ
改変しながら子孫に
受け繋がれて行く
男と女のＤＮＡ
無数の要素と
微細な差異なのさ
ＤＮＡにとって大事なのは
男か女か
強いか 弱いか
と云うことだけ
同じ時間と空間で
男と女は互いに
違う状態で
違う時間を
流れて行く
出会い 別れ
すべて呑み込みながら
昨日の私と
今日の私
少しだけ
違っている
私は
正体不明の
人間です
霜月の夜の寒空に輝く星
満天の夜空を突然
光の帯が流れる
獅子座の方角 から
つぎつぎと放射状に
ぱっと現れてすぐに消える
銀色の尾を引きずりながら
花火のようにすぐに消える
天の川を挟んで
天空と地上のふたつの空
無数の流星が流れて行く
長い旅路の果てに
私の目の前に現れた
白銀に輝く尾を引きながら
獅子王からの親書を携えて
無数の使者がやって来る
太陽王に逢うために
それはとても気の遠くなるような
長い長い旅をし続けながら
流星に願い事をすれば
願いが叶うと云う
私も願い事するために
大きな流星の出現を
寒空の中じっと待ち続け
am 4:14巨大な流星が現れた
白銀に輝く尾を引きながら
この瞬間を待って
願い事
その流星に託しました
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九十九里浜
海が見たくなって
九十九里浜へやって来た
季節はずれの外房
人影のない海辺を
潮風に頬を打たれながら
素足になって
どこまでも続く遠浅の砂浜を走る
少し冷たい海に足を浸ける
引き戻す波が
足元の砂を
さっと沖に運んで行く
よろけながら浜辺に戻り
広大な砂浜に指で絵を描いた
描くたびに波がすぐにさらって行く
遠く遠く
はるか彼方のアメリカまで届けておくれ
渚のピンクの小さな桜貝
そっと耳を澄ませば
唄っているよ
潮騒のメロディーを奏でてね
砂浜が
キュー キュー と
伴奏をつけながら
この前まで浜昼顔が咲いていた砂丘は
潮風のいたずらで出来た
渦巻き模様の風紋の花壇となり
松林と海と空が
潮騒のハーモニーに包まれていた
夕日に染まった砂丘は
真っ赤な絨毯となって
月の砂漠の王子様とお姫様を乗せた
ラクダのシルエットが
どこまでも どこまでも
ゆっくりと歩いて行くよ
両方がほしいの!
僕が君をみそめたのは
たしか、冷たい月明かりのテラスだ
つぶらな瞳、
パープルルージュな小さな唇
金色の月光の衣をまとった妖精
それが、君だ
『星が見たいね』僕が言う
『月が見たいわ』君が言う
『あなたは星を、私は月を』
まったく、君は天の邪鬼なんだ
この瞬間を逃したら、
僕は永遠に後悔する
この張り裂けるような僕の気持ちが
言葉にならない
今なら、僕は君を受けとめる勇気がある
もう、自分を偽ったり、
臆病になることとさらばだ
『君が、好きだ!』
『理由などない。好きだ !』
『君のすべてが、たまらなく好きなんだ』
『わたしは、まだ不満なの・・・』君が言う
『好きだけじゃ、不満・・・』僕が言う
『愛している、と言ってほしいの』君が言う
『わたしは欲張りなの・・』
『好き』 と『愛』
『 両方がほしいのよ』
ひとり旅がしたくなって
ぶらり 旅に出かけた。
気が付くと もうここは
み ち の く
たわわに実った真っ赤な林檎畑を眺めていたら
おばちゃんが とても大きなリンゴをくれた。
「世界一」と言う名のリンゴだそうだ。
さくっと一口かじると
甘酸っぱい爽やかな香りが
さっと口の中に広がった。
稲刈りを終えた 殺風景な田んぼに
麦藁帽子を被った案山子さんが
にこにこ笑いながら唄っていた。
「おいらの米はうまいぞ・・・♪♪ 」
ここだけが時間が止まったような静寂なひととき
なんだか懐かしい気分になってきた。
ここが自分の故郷でもないのにね。
さらさらと流れる冷たく透明な沢の水を
手ですくって飲んだ。
ほんのり甘い味がして旨かった。
カメラを止めていい気分で絵を描くことにした。
キャンバスは 澄みきった 青空
絵の具は ナナカマドとアケビの実と山ブドウ
仕上げは紅葉のグラデーションだ。
心のキャンバスに描いたこの絵を
自分探しの旅のお土産にして
鎮魂歌
「お母さん」・・・
「母ちゃん」・・・
今 こころを込めて呼びたかった。
もう 呼ぶことが出来ない。
遠く 遠く
離れて行く
あまえてばかりで、
自分がいかに母の愛に
包まれていたかを
あなたが
どれほどかけがいのないものであったかを
失って やっと気付きました。
足元の 母子草の花のように
澄み切った空を眺めていたら
なんだか 悲しくて
涙が出てきました。
わたしの涙の一滴
どうか 一緒にお供させてください。
母さん ありがとう
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クローン人間
生命科学の進歩はめざましい。
バイオやクローン技術により
クローン羊 クローン牛など出現した。
このクローン技術が人間に応用されたら
どうなるでしょう。
勿論、倫理面の制約があるけど
あなたや私にそっくりな
クローン人間が誕生したなら
どうだろうと想像してみる。
私のクローンが出来たなら
私のコピーがたくさん出現してしまう。
たくさんの私の中から自分を見つけるのが大変。
外見がそっくりだが それぞれの心まで
全く同じという保証はない。
もしも同じだったら
生きていてつまらない。
私と分身 姿 形が同じでいて
こころが異なる。
同じでいて同じでない。
面白そうで なんだか頭の中が混乱 。
私と分身とで異なった人格の生き方
性格のバラエテーに富んだ経験が出来るかも。
私と分身とで男と女になるのも面白い。
男と女の考え方の異なる微妙な感覚
女と男それぞれの感受性を理解できるかも。
それぞれが違った愛する人と恋愛したりして・・・
私はたくさんの人と恋愛することができる。
逆に私のクローンすべてが
ただひとりの人 あなたを愛してしまったなら
あなたはとても混乱するでしょうね。
クローンはとても面白そうだけれど
やっぱり 私の存在は一人がいい。
私という人間はこの世でただ一人だけ。
クローンは やめたほうがいい。
なんだか そんな気がする。
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無心になろう
欺瞞や虚栄、
さもしい気負いといった
一切のしがらみを捨てよう
心を空っぽにしょう
生まれたばかりの自分に戻ろう。
そうすれば、見る物すべてが好奇心、ファンタジー
己を捨てて無心に生きよう
今まで見えなかったものが
見えてくるだろう。
自然がたくさんの贈り物を与えてくれるだろう
心の内から何か熱いものを感じるだろう
空、雲、風、光、花、星
すべての自然を心の中に
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１０００年紀末
世界中が混沌としている。
だれもが 自信を失っている。
移りゆく時代の変化に 大勢の人々が
右往左往
新しい時代の訪れを目の前にして
常識が常識でなくなり
すべてのシステムが綻び崩れ去ってゆく。
難解な言葉や ぞうげの塔の哲学なんかいらない。
生まれ変わろうとする時代と
新しい時代の狭間に、もがき苦しみ
絶望のどん底に突き落とされた極限の
深い思索の旅の末に真理を悟るかもしれない。
ただ、判るか判らないかの差である。
もう一度、 自分自身を見つめなおして
「 考える人」のように、
ただひたすら考えて
考えて・・・・・・・・・・・・・・
不安だから考えるのです。
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デ・リーフデ （友愛）
印旛沼湖畔の片隅に とても巨大な風車が
ぽっんとたっている。
四枚の大きな羽が回るたびに
今にも ドン・キホーテが現れそう。
聞けば、日本とオランダの友好のシンボル
蘭語で「友愛」 を意味する
デ・リーフデと名付けられたこの風車
いにしえの世界へ しばし タイムスリップ
花のオランダ
キューケンホフにも劣らずに
何十万本ものカラフルで色鮮やかなチューリップ
今年も綺麗に咲きました。
赤 白 黄 紫・・・・・・・・・・・
早咲き 遅咲き 色々あって
チューリップ祭りの民族衣装をまとった
ゲストや多数の人々に囲まれて
チューリップの熱い視線も受けて
ニコニコ上機嫌な巨大な風車 リーフデ
球根の消耗を防ぐ為に刈られる
はかない命のチューリップ
リーフデとチューリップが恋をした。
たった一週間の短い恋でした。
確か「ロミオとジュリエット」も
短い五日間のはかない恋でした。
ふたりの熱い恋は
あっという間に過ぎ去りました。
今は 寂しそうな巨大な風車 リーフデ
湖畔の竜神橋のオブジェの竜とにらめっこ。
来年も きれいな花を
あなたの為に 咲かせます。
待っててください。・・・・・・・
告別の日
母の存在が身近すぎるため
気づかずに過ごしていた
いなくなって死というものを考えた
今まで暖かかった母の体が、
氷のように冷たくなり
堅いロー人形のように横たわっている。
母は、ただ氷の冷たさにじっと耐え
火葬場の灼熱の炎と熱さに耐え、
ついには仏様になった。
人間は、いつか必ず死ぬ。
すべての生き物にとって
死は避けがたい存在である。
死を迎えた瞬間
魂の離脱がはたしてあるのだろうか。
滅び去る肉体が単なる物質とかして
永遠の闇の中に消えていくだけかもしれない。
それとも生身の人間が死後の希望を抱いて
魂の離脱とあの世の世界の幸福を信じていなければ
やるせなくなるのかもしれない。
今、母はどうしているだろうか。
あの世でみんなに逢えて幸せだろうか。
それとも
残された私たち家族のことが心残りだろうか。
母を安心させるためにも、精一杯生きていこう。
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追憶
あなたは覚えているだろうか
子供の頃、そよ風に吹かれながら
汗をかき思い切りブランコを漕いだことを
友達と隠れん坊し無邪気に遊んだことを
蝶が飛ぶ野原で初めて見つけた
あの紅い花の感動を。
夕日が闇の空を紅く
染めながら沈むあの感動を
光輝く星空に七夕の彦星と織り姫が
年に一度逢う恋のロマンスに
心ときめいたことを
あのなつかしい楽しい思いでを
そっと胸に秘め
大人になったいまでも
あのころの純粋な
気持ちをいつまでも大切にしょう。
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目覚め
あなたは今、
長い長い眠りから覚めようとしている。
あなたは、
幸福な夢をみていた。
眠りから覚めると
厳しい氷の現実があり悲しみがあった。
過ぎ去りしあの頃に戻りたい切望を抱きながら
苛酷な現実があなたを連れ戻す。
大切なのは
未来に夢を抱き希望を託すことだ。
それでも何もかわらないだろう。
でも、少しずつ世界が動いている。
今、あなたの物語が始まろうとしている。
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愛の翼
あなたは、いつも夢を見る。
愛のロマンを胸に秘め
夢があれば、宇宙のどこかで
きっと素敵な人にめぐり逢えると信じて
そんなあなたに
夢の翼を授けよう
虹色の翼をつけて
愛の浪漫の国へ飛んでお行き
青い鳥のように
幸福はすぐそこにある
さあ、翼をひろげ
羽ばたいてお行き
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越後路
雑踏の都会を離れ
上毛の山間を縫い
谷川岳をくぐり抜けると
信濃川が
目に飛び込んでくる
新緑の越後平野は
緑の絨毯の水田を連ね
初夏の訪れを告げている
もう、三条辺りだろうか。
君のいる
越後がそこにある。
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影法師
旅立つあなたの後ろ姿が
黒いシルエツトとなり消えて行く。
あなたは、もう戻らない覚悟で旅立った。
いなくなったあなたの抜け殻にむかって叫びだす。
あなたは誰、遠き旅人、
私の声は、あなたに届かない。
あなたの声は、私には聞こえない。
昨日まで、あんなにはしゃいでいたのに。
今のあなたは、
無口な影法師。
無断転載を禁じます
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